8.13.2009

第6回 ~前門地下道~

これは昨年秋に北京のある人々を取材した記録です。


2008年9月18日・・・

北京市東城区、前門(Qianmen)大街。
北京中心軸線上にあり、天安門(Tiananmen)の真南約1kmの地点。

北京五輪直前の2008年8月7日に再開発改修工事が完了し、周囲は見違えるようになった。その是非についてはまたいつか書くことにして、今回は前門地下道で必死に生きる人々が気になったため2日間密着取材を行なったのでその報告をする。

前門前を東西に走るのが長春(Changchun)街と呼ばれる延々と42kmに及ぶ大動脈。
今や交通往来が激しく現地人と言えども地上を渡れば死あるのみ。
なーんだ、中国人の華麗なる横断術を紹介した方が盛り上がるのに、って?いえいえ、今回のメインは地下にあり。


地下道へと降りてみる。西南側は北京旅游散客中心なる観光バス発着所があるので人の往来も激しい。

おっとっと・・・
人多いって言った傍から、



バリアフリーなんてあったもんじゃない光景。せめて西南側だけでもエレベータ設置を早急に要請したい。

超高齢国家となった2020年、泣いている姿を見たくないのです。


◆◆◆



降りた途端こっつんこっつんという物音に目を向ける。



あ・・・

天井壊してる人がいる。何だか、亀裂発見して突いたら毀れ出して収拾つかなくなった模様。箒の柄で突いてるところが如何にも余計なことしてる感じw
それをじぃーーっと見つめる赤い服の通行人もよっぽど暇なのかな(ノ-_-)、って思った。


◆◆◆


この地下道、

座り込んでジロジロ通行人を覗う人々がいることが人目で分かる。

何しとっちゃろ、思って近づいてみる・・・。




あ、光るコマ回しとるんやな。
日本でも80~90年代前半くらいまで観光地で音と光放ちながら回るコマが流行っていたような気がする。・・・それじゃないか?

北京のコマと言えば空高く上げて糸でキャッチするやつが思い浮かぶ。
それは陀螺(tuoluo)と呼ぶらしいが、今僕の目の前で回るものは似ても似つかない。



(別の人)
もっと近寄ろうとしたけど、この女性、販売しているようなのだ。
しつこく「買わんね?」って言い寄られたらイヤやけんな・・・

あ、でも日本で見たコマより光り方がカッコええんやね?


・・・おっと、

こっちの男性はクルクル歩き回るワンコを売ってるね。
こんなんで買ってくれる人がいるんやろうか・・・


・・・偶然かも知れんけど、僕とは目が合わなかった。
皆何処か遠くを見ているような目つきで・・・愛想なし!?

あ~そうか、警察来ないか気を配っとるんやね!
だって、地下とか歩道橋とか公共空間で物品販売することは禁止されてるはず・・・
それは


彼らが大きな袋を抱えていることが物語る。
もし見つかったら商品袋に詰めて逃走出来るからね。

多分やけど、オリンピック前後で警備が厳しくなったんやと思う。話によると数年前まで、

【毛沢東と中国】
っていう思想的なもの、
酷いものやと、
【毛沢東と女たち】
なんていう誰買う?って思えちゃう本が売られていたという前門地下道。

僕は彼らのことが気になって翌日も前門地下道へ行ってみた。(←そんな暇あるならパラリンでも観に行けよw)






◆◆◆

9月19日









またいた。あの二人だ。

女性の方は、違う色の服着ていて、

一応洗濯は出来る環境はあるようだが、


男性は腕まくってるだけで昨日と同じ服装に見える。
家計は苦しそうだ・・・。

・・・あの独楽、聞いたらたった1元(15円)らしく、それなら買っておけばよかったなぁ、と後悔している。中国のガラくたというネタにもなりそうやし、なおの事ネ(ノ ̄▽ ̄)
とは言え、相手次第で5元とか10元という値をぶつけてくるのは間違いない。それが彼らの商法であり生き残る知恵なのだから・・・。




それにしても、警察の目は甘いようである・・・



◆◆◆





(ぶ~~ん)


僕は咄嗟に足を上げる。

足元をヘリが飛んでいる。

地下なのに(笑)?

007の撮影か?












勿論おもちゃ。

おいおい、地下でヘリ飛ばすなよ、
それともまた違法販売か!?







あれ?誰がヘリ扱ってんの?


振り向く先には、まさかの、
















サツだったΣ(゚□゚ノ)

ったく、中国という国は・・・。